戦争と女性の人権博物館日本後援会

署名活動関連文書

光復会声明に対する声明

私たちは「戦争と女性の人権博物館」建設を待ち望んでいます!!

 私たち、日本軍「慰安婦」問題の真の解決を求めて、今月東京で開催するアジア連帯会議の日本実行委員会は、韓国で光複会などの団体により、ソウル市の西大門独立公園内に建設予定の「戦争と女性の人権博物館」建設許可撤回を求める声明が出されたことを知り、大変衝撃を受けています。加害を与えた日本に生きる女性として、「慰安婦」問題の正当な解決がなされないがために、このような主張が被害女性の生きる地で吹き出したと思うと、いたたまれない気持ちです。

 声明によれば、撤回を求める理由は、①博物館の建設は没歴史的な行為で、独立運動家と独立運動を汚す「殉国先烈に対する名誉毀損」であり、②日本人に対し、先祖の悪行に対する反省を促すどころか、むしろ嘲笑を提供する結果を招き、③青少年に正しい歴史認識よりも、「我が民族は積極的な反日闘争より日帝によって受難のみ受けた民族」だという歪曲された歴史認識を植え付け、未来の世代に歴史的真実に対する混同を与えるからだといいます。
 私たちはこの主張に驚愕しました。なぜ、「慰安婦」被害女性たちの尊厳回復のため、女性の人権を守り育てるための博物館が「殉国先烈に対する名誉毀損」「嘲笑を提供する結果を招く」「歪曲された歴史認識を植え付ける」ことになるのでしょうか。そこには、性暴力を受けた女性たちの苦痛も、真の謝罪・補償を怠ってきた日本政府への怒りも感じられず、むしろ、被害女性に対する抜きがたい蔑視と根深い差別意識が感じられます。このような排除の眼差しが、同郷に生きる被害女性に苦痛の沈黙を強い、「汚れた女」という烙印を押してきたのではないでしょうか。これでは、植民地支配を正当化し「先烈たちによる独立運動」「抗日抵抗」を「暴動」「暴徒」と決めつける日本の右翼・歴史修正主義者たちが、「慰安婦」に対して「慰安婦は商行為」と決めつけた主張と変わりません。光復会が闘う相手は、「慰安婦」問題を解決しようという韓国挺身隊問題対策協議会や被害女性たちではなく、日本の右翼や歴史修正主義者たちではないでしょうか。

 日本軍「慰安婦」被害者は、植民地支配と侵略戦争の被害者であるのみならず、日本政府の責任否定に対して立ち上がり、証言をはじめた人権回復闘争の当事者です。1990年日本政府が国会で「民間業者が連れ歩いた」と答弁したことに対して、1991年8月「日本軍に捕らえられ、動物以下の扱いをされた。生きた証人がここにいる」と声を上げた金学順さんの勇気は、韓国をはじめ同じ被害を受けたアジアや世界の女性たちに人間の尊厳を取り戻す勇気を与えました。そして、多くの「慰安婦」被害女性たちが沈黙を破り、その被害を明らかにし、正当な解決を求めて立ち上がりました。そうした被害者たちをこれ以上悲しませないでください。金学順さんら被害女性たちの闘いは、3・1運動をはじめとする抗日独立運動に共通する歴史に残る女性解放運動です。それだけに「殉国先烈に対する名誉毀損」などという主張には心が痛みます。

 「慰安婦」への性暴力は、光複会の方たちが考えているような「被害者の恥」「民族の恥」の問題ではなく、人間の尊厳と女性の人権を踏みにじる戦争犯罪です。その記憶を封印し被害者を社会の周辺に追いやるのではなく、何があったのかを明らかにし、犯罪の責任を明確にし、二度と同じ過ちが繰り返されないように真の謝罪・補償と歴史認識を育てていくよう努力することこそが、「次世代の青少年に正しい歴史認識」を継承することではないでしょうか。

 私たちは、被害国でこのような動きが起こっていることは、日本政府が明確な解決をしてこなかったことに起因していると考えます。「慰安婦」 被害女性たちが勇気をもって自らの人権回復を求めて立ち上がったことは、世界中の同じような性暴力被害を受けた女性にどんなに勇気を与えてきたことでしょう。世界の「女性の人権の実現」のための闘いの先頭に立って闘ってきた女性たちの勇気が、ICCなど現在進行形の犯罪に対処する国際的な仕組みを生んだ、国際社会の構造に影響を与え、アメリカ・カナダ・オランダ・EU議会の、そしてこの10月の自由権規約委員会の日本政府に対する決議・勧告を生み出したのです。
 しかし、日本政府はそうした被害者をはじめ国際社会の要請に耳を傾けることなく謝罪、補償から逃げ続けています。こうした日本政府の曖昧な姿勢が、日本や韓国での「慰安婦」問題の認識を育てず、むしろ誤った認識を温存させていると思うと、日本政府の責任の重さを痛感します。

 私たちは、光複会の皆さんが「戦争と女性の人権博物館」建築許可撤回を求める声明を撤回し、「慰安婦」被害女性の苦痛を理解し、真の解決に共に立ち上がり、「戦争と女性の人権博物館」の建設を共に推進していくことを、心から願います。
 最後に、私たちは、韓国挺身隊問題対策協議会の皆さんが、長年、被害女性に寄り添い、被害女性と共に水曜集会を続け、正当な解決を訴え続けてきたこと、そして今、「戦争と女性の人権博物館」を建設して次世代のためにも過去を記録し、女性の人権とは何かを広く考えさせる場所を生み出そうとする努力に強く共感し、連帯の意を表明します。

2008年11月3日
第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議
日本実行委員会一同

日本軍「慰安婦」問題行動ネットワーク・売買春問題ととりくむ会・日本キリスト教協議会・日本キリスト教日本軍「慰安婦」問題と取り組む会・日本友和会・日本友和会女性の会・日本キリスト教婦人矯風会・ピースボート・台湾の元「慰安婦」裁判を支援する会・フィリピン人元「従軍慰安婦」を支援する会・カトリック東京教区・正義と平和協議会・フィリピン人「慰安婦」支援連絡会・三多摩中国人「慰安婦」裁判を支援する会・山西省の性暴力を明らかにする会・在日の慰安婦裁判を支える会・VAWW-NETジャパン・女たちの戦争と平和資料館・新日本婦人の会・婦人団体連合会・「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク・憲法9条-世界へ未来へ連絡会・戦争への道を許さないJR連絡会・男女平等をすすめる教育全国ネットワーク・在日韓国民主女性会・強制連行企業責任追及全国ネットワーク・マキータの会・アジア女性資料センター・東チモール全国協議会・ロラ支援ネット・I女性会議・「女性・戦争・人権」学会

戦争と女性の人権博物館は、市民の支えで維持されています。 博物館の維持・発展のためにご支援、ご協力をお願いします。

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